買取できるピアノの種類には何がある?

グランドピアノ

グランドピアノは、コンサートホール、ホテル、教育機関などに設置される代表的なピアノであり、ピアノの原型的形態ともいえます。歴史的にも「ピアノ」といえば本来このグランド型を指していました。主として演奏家や高度な表現力を追求する奏者に所有されています。

独特の水平型構造は、低音弦を長大に、高音弦を短小に配置するための設計思想によるものです。この構造により、音域全体にわたり倍音の豊かさと持続性が確保され、音量・音質のダイナミクスレンジも広大です。アップライトピアノと比較して音響表現力に優れ、微細なアタックやニュアンスも忠実に再現可能です。

ペダル機構の相違

  • 左ペダル
    • グランドピアノ:シフトペダル(ウナ・コルダ)。鍵盤全体を横に移動させ、ハンマーが一部の弦を打弦することで音色の質感を変化させる。
    • アップライトピアノ:ソフトペダル。ハンマーと弦の距離を短縮し、打弦力を低減させることで柔和な音色を得る。
  • 中ペダル
    • グランドピアノ:ソステヌートペダル。直前に打鍵した音のみを保持し、他の音には影響を与えない。高度な和声処理に有用。
    • アップライトピアノ:マフラーペダル。フェルト幕を弦に近接させ、全体的な音量を抑制する。
  • 右ペダル
    • ダンパーペダル(共通)。ダンパーを一斉に解放し、共鳴箱全体に響きを持続させる。

サイズ区分

グランドピアノには多様なサイズが存在し、奥行150cm前後のベビーグランド(ミニグランド)から、270cm級のフルコンサートグランドまで段階的に分類されます。サイズの増大に伴い弦長・響板面積が拡大し、音響特性や発音持続性が向上します。


アップライトピアノ

アップライトピアノは、家庭用から教育現場まで幅広く普及している垂直型ピアノです。フレームおよび弦を垂直に配置することで、グランドピアノの構造を省スペース化した形式となっています。設置性に優れ、特に限られた居住空間に適しています。

音響面では、弦長および響板面積が制限されるため、倍音の豊かさや音量においてグランドピアノに劣りますが、練習用途や家庭用としては十分な性能を備えています。

主要メーカーであるヤマハ、カワイでは、高さ112cm級のコンパクトモデルから、131cm級の音質重視モデルまでラインナップが揃っています。外装仕上げには黒鏡面塗装(ポリッシュ仕上げ)や木目突板仕上げなどがあり、審美的にも多様な選択肢が存在します。

買取に際しては、グランドピアノ同様に「ズバット ピアノ買取比較」による複数業者査定を活用し、最適な条件で売却することが望まれます。


電子ピアノ

電子ピアノ(デジタルピアノ、エレクトロニックピアノとも称される)は、アコースティックピアノの音色をデジタルサンプリングした音源を電子的に発音する楽器です。

湿度や温度の影響を受けず、常に調律が安定している点が大きな利点です。また、価格が比較的低廉で、音量調節やヘッドホン使用が可能なため、夜間練習や集合住宅での使用にも適しています。

上位機種では録音機能、音色バリエーション、他楽器音とのアンサンブル機能を備えており、教育用途から演奏実用まで幅広く活用されています。


エレクトーン

エレクトーンは、ヤマハが製造する電子オルガンの商標です。上鍵盤・下鍵盤・ペダル鍵盤に加え、エクスプレッションペダルおよびセカンドエクスプレッションペダルを搭載し、多層的な演奏表現を可能にします。

現行モデルにはリズムパターンや自動伴奏機能が実装され、アンサンブル演奏における実用性が高まっています。現在は「D-DECK」「ステージア」「ステージアミニ」などのシリーズが展開されています。