- グランドピアノ:年式新しいCシリーズは高額査定、古いGシリーズは低額~無償引取もあり。
- アップライトピアノ:Uシリーズが市場の主力。木目外装は黒塗装より評価が高い。
- 電子ピアノ:モデルチェンジが速く価値下落も早いが、付属品完備で買取可能性が高まる。
- エレクトーン:年式が最大の評価基準。2004年以降のステージアは比較的安定した相場。
ピアノの買取価格は、メーカー・種別・製造時期などの要素に大きく左右されます。さらに査定業者によって評価基準が異なるため、同一の楽器でも提示額に数十万円単位の差が生じることもあります。そのため、買取相場表を一つの目安として参考にしつつ、最終的には複数社の査定を比較することが不可欠です。
以下に示す相場は、主要モデルの一部に限られた現行市場における目安価格であり、絶対的な保証値ではありません。高価買取を実現するためには、必ず一括査定や複数査定を利用して実勢価格を把握することが推奨されます。
1. グランドピアノの買取相場
ヤマハのCシリーズなど、代表的なモデルは中古市場でも安定した需要があり、状態が良好で年式の新しい個体ほど高額査定が期待できます。特別仕様のマイナーチェンジモデル(例:C3LAなど)は標準仕様より高値がつく場合もあります。
一方、Gシリーズなど古い世代のモデルは、内部部品の劣化や再調整コストが増大するため、無償引取あるいは低額査定となるケースが少なくありません。
メーカー別グランドピアノ相場(例)
メーカー | 型番 | 買取相場 |
---|---|---|
YAMAHA | C2 | 約60万円(年式新しい場合) |
YAMAHA | C3 | 10~50万円 |
YAMAHA | C3A | 約60万円 |
YAMAHA | C3B | 20~50万円 |
YAMAHA | C3LA | 約60万円 |
YAMAHA | C5 | 40~80万円 |
KAWAI | CA40 | 約30万円 |
KAWAI | KG2 | 10~20万円 |
2. アップライトピアノの買取相場
アップライトピアノは需要が多く、特にヤマハUシリーズは中古市場での流通量・人気ともに高いモデルです。比較的幅広い査定額が集まりやすい反面、古いモデルは価値が下落しやすいため、売却タイミングが重要です。
外装色によっても相場は変動し、黒塗装よりも木目仕上げの方が高額査定となる傾向があります。
メーカー別アップライトピアノ相場(例)
メーカー | 型番 | 買取相場 |
---|---|---|
YAMAHA | U1 | 約10万円 |
YAMAHA | U1A | 1~10万円 |
YAMAHA | U100SX | 約20万円 |
YAMAHA | U3 | 約30万円 |
YAMAHA | U3A(古い年式) | 約1万円 |
KAWAI | US-50 | 約5万円 |
KAWAI | BL31 | 約1万円(古い年式) |
KAWAI | BS30 | 約5万円 |
➡ 年式が古い場合は「買取不可」あるいは「無料引取り」となるケースも存在します。
3. 電子ピアノの買取相場
電子ピアノはアコースティックピアノに比べ元値が低く、かつモデルチェンジのサイクルが早いため、市場価値の下落も速いのが特徴です。そのため「売れるかどうか」が最大の分岐点になります。
ただしヤマハPシリーズやカシオPXシリーズ、ローランドの上位機種などは一定の需要があり、付属品(電源アダプタ・ペダル・専用スタンド等)を完備することで査定額を維持できます。
メーカー別電子ピアノ相場(例)
メーカー | 型番 | 買取相場 |
---|---|---|
YAMAHA | P-105 | 数千~1万円 |
YAMAHA | P-255 | 3~4万円 |
KAWAI | CA15 | 5~6万円 |
KORG | LP-380 | 2~3万円 |
CASIO | PX-160 | 2~3万円 |
Roland | RD-800 | 約10万円 |
Roland | RG-3F | 約30万円 |
4. エレクトーンの買取相場
エレクトーンはヤマハ製がほとんどを占めますが、市場規模は縮小傾向にあります。査定額を大きく左右するのは年式であり、2000年代以降のモデル(特に「ステージア」シリーズ)は比較的高額買取が見込まれます。
エレクトーン相場(例)
メーカー | 型番 | 買取相場 |
---|---|---|
YAMAHA | ELS-01(04年製) | 7~10万円 |
YAMAHA | ELS-01(06年製) | 8~10万円 |
YAMAHA | ELS-01(08年製) | 約10万円 |
YAMAHA | ELS-01(09年製) | 10~13万円 |
YAMAHA | ELS-01(10年製) | 約12万円 |
YAMAHA | ELS-01U | 約15万円 |
査定額を上げるためのポイント
ピアノは高額かつ精密な楽器であり、査定時には「演奏性能」「外観」「保存状態」「付属品」の4要素が重視されます。適切な準備を行うことで、査定額を数万円単位で向上させられる場合もあります。
1. 定期的な調律・メンテナンス履歴
- 調律記録(調律師のサイン入り調律カード、領収書など)を提示できれば、内部の調整が適切に維持されていた証明となり、評価が高くなります。
- アクション機構(ハンマー、ダンパー、ジャックなど)の整備記録も加点要素です。
2. 保管環境
- 湿度・温度管理が行き届いた環境(防湿器や除湿剤の使用、直射日光や冷暖房の直撃を避けた設置など)は、響板や弦の劣化を防いでいるとみなされ、査定額に好影響を与えます。
- 結露や害虫被害(ネズミやシロアリによる内部ダメージ)がないことも重要です。
3. 外装・美観
- 目立つ傷や打痕は査定減点の対象となります。売却前に可能な範囲でクリーニングし、ホコリや汚れを除去しておくと良いでしょう。
- 鏡面塗装のモデルは、専用クロスで磨くことで外観の印象が大きく改善します。
4. 付属品の完備
- 電子ピアノ・エレクトーンの場合:電源アダプタ、ペダルユニット、専用スタンド、取扱説明書、カバーなどを揃えることが必須です。欠品があると査定額が下がります。
- アコースティックピアノの場合:純正椅子、防音パネル、鍵盤カバーなどが付属すれば加点対象になることがあります。
5. 売却タイミング
- モデルチェンジ直後は旧モデルの価値が下がる傾向があるため、不要になった時点で速やかに売却する方が有利です。
- 特に電子ピアノは数年単位で相場が急落するため、売却時期の判断が査定額に直結します。